屋根リフォームの際に知っておきたい言葉の一つに「野地板(のじいた)」があります。
あまり耳慣れない言葉かもしれませんが、野地板は屋根リフォームで最も重要な部分といえるでしょう。
そこで、今回は野地板の役割や種類、そして重要性ついて解説していきます。
野地板とは?
野地板は瓦やスレート屋根などの屋根葺き材の下地材です。
日本の木造構法で建てられた住宅では屋根を支える骨組みがあります。
骨組みうちの一つである垂木(たるき)と呼ばれ、棟木から軒桁へ斜め方向に架ける部材です。
垂木の上に屋根の下地材を張ります。
この下地材が野地板です。
木造住宅では野地板の上にアスファルトルーフィングなどの防水シートを張って、屋根葺き材で仕上げます。
つまり野地板は、屋根材を住宅の骨組みに取り付ける重要な役割を担っているといえるでしょう。
野地板の種類は?
野地板は屋根をリフォームする際に重要な部材です。
では、次に野地板の種類について紹介していきます。
構造用パネル
最も多く使用されている野地板は構造用パネル(構造用合板)。
構造用合板とは名前の通り、壁や床の下地など住宅の構造に関わる部分に使用される建材です。
構造用合板は木材を薄くスライスしたものを木の繊維方向に直角に貼り合わせて作られます。
木の繊維方向が直交することで、反りが少なく建材に均一な強度が出るのが合板の特徴。
構造用パネルは接着剤の耐水性能、木の種類そしてホルムアルデヒドの放出量によって分類されています。
また、厚みやサイズが規格化されていることから、使用しやすい建材といえるでしょう。
バラ板
バラ板は杉の木をスライスした野地板です。
そのため、別名「杉板」とも呼ばれます。
現在の木造住宅の野地板は構造用パネルが主流となりましたが、約40年前まではほとんどの住宅でバラ板が使用されていました。
バラ板は幅が狭い建材なので、隙間を開けて通気性を確保できます。
住宅の屋根の骨組みにこもりやすい湿気を逃して腐食を予防する働きが重宝されていたのです。
しかし、屋根の防水技術が発達したことから、現在では施工が簡単で住宅の耐震性を高められる構造用パネルが野地板の中心となっています。
耐火野地板
耐火野地板とは建築基準法に定められている防火材料の一つです。
都市計画法で定められた防火地域や準防火地域では主要な構造部分を防火材料で覆わなければなりません。
加熱開始後10分間の不燃性能を持つ防火材料は準不燃材料と呼ばれており防火地域や準防火地域での使用が認められています。
耐火野地板には、以下の2種類の準不燃材料がよく使用されます。
- 木毛セメント板:[ruby]木毛[rt]もくもう[/rt][/ruby]という木材を細長く削ったものとセメントを材料にして加圧成型した建材
- 木片セメント板:木材を短く薄くした木片とセメントを材料にして加圧成型した建材
なぜ野地板が重要なの
屋根リフォームでは屋根材、ルーフィング、野地板の補修や改修が重要なポイントになります。
経年や外的要因によって劣化した屋根材やルーフィング、野地板を放置しておくと雨漏りにつながるリスクが高くなってしまうでしょう。
さらに、家の中まで雨漏りしているということは屋根材や防水シートの劣化や傷みによって雨水が入り込み、野地板が相当なダメージを受けていることが考えられます。
また、野地板に入り込んだ水分はまず野地板を腐食させます。
そして次は、垂木や天井など、住宅内部に関わる部分にカビを発生させて腐食へと向かうのです。
したがって、屋根リフォームの際には屋根材や防水シート(ルーフィング)など、見えるところだけでなく下地部分もしっかりと点検する必要があります。
特に野地板は屋根葺き材とルーフィングを取り払った状態でしか確認ができない部材です。
家の内からも外からも普段はまったく目視できません。
ですから、屋根リフォームは野地板を点検のチャンスといえるでしょう。
野地板に腐食が見られる場合には部分的に張り替えを行います。
またバラ板の野地板には構造用パネルを重ね張りすることが有効です。
重ね張りによって屋根葺き材を固定しやすくなるだけではなく、強度がある構造用パネルを張ると住宅全体の耐震性能が向上します。
木造住宅の屋根は屋根葺き材とルーフィングそして野地板が一体となっています。
屋根リフォームでは屋根材の葺き替えだけではなく、必ず野地板までメンテナンスを行いましょう。
まとめ
木造住宅の屋根部材の一つである野地板。
住宅内への水の侵入を防ぐとても重要な役割を持っています。
一方、普段の状態では点検することが難しく、屋根をリフォームときが唯一のメンテナンス時期だといえます。
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